眠り姫~sleeping ready~
シーラの言葉を冴えぎるかのようにヴァイオレットが顔を出した

「ヴァイオレット様、お呼びになれれば良かったのに、お着替えが大変だったでしょうに」


「大丈夫よ?その位できるから」


ヴァイオレットは紫色の瞳を細め笑った
それをレイは見とれていた


「ヴァイオレット」

バルコニーからヴァイオレットの方に向かい
そっと、頬に触れる


「へ、陛下?」

「ヴァイオレット、眠れてあるか?クマが出来ている」


そっと輝く瞳の下を触り、撫でていく


「だ、大丈夫です。眠れています!?キャッ!」

レイは車椅子からヴァイオレットを、抱き上げベッドに寝かした


「大丈夫じやぁない、嘘ついてもわかる」

「陛下…」


なされるがまま、ヴァイオレットはベッドに寝た

金色の髪がサラサラと落ちて行く
その1束を手に取り触っていた


「陛下は髪がお好きなんでしょうか?」

「ん?ああ、ヴァイオレットの髪は美しい。だから触りたくなる」


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