眠り姫~sleeping ready~
ヴァイオレットは部屋で1人窓の外を見ながら考えていた


「私はもう何一つ…」


何一つ残ってない

愛する人も…
足も…
しかも記憶さえも曖昧で


「ユウリ様…私をおいていってしまうなんて…」


置いていってしまった
しかも
わたしに残酷なものをのこして…


「ウゥッ…愛する人の面影を残した人をわたしに…見せるなんて…」


神様は
残酷ね…


コンコン…

軽くノックがされる


「はい…」


鳴き声の声をしながら返事を弱々しくするヴァイオレット


「起きていたのか、ヴァイオレット」


部屋に来たのはレイだった
< 32 / 117 >

この作品をシェア

pagetop