眠り姫~sleeping ready~
しばらくしてジキル医師は部屋を出た

「リハビリかぁ…」


ぼそりと呟くのをシゼルは見逃さなかった

「陛下…まさかヴァイオレットという娘を滞在させる気ですか!?」


「ああ」


シゼルははぁ…とやりきれないため息をつく


「いけません!!いけませんよ陛下、身元さえわからない娘を置くなんて!!」


シゼルはレイに向かって淡々と言う。それはもう次から次と

レイは"またシゼルの忠告がはじまった"とあきれたようにシゼルを見る


「いいですか!陛下あなたはつい最近婚約をしたばかり!なのにレイラ様の元には行かずに身知らずの娘を城に置くなんて!!」


「なぜレイラが出てくるんだよ…」


「当たり前です!式も挙げていないのにも関わらず、もう浮気みたいな真似事を…レイラ様が聞いたら悲しみますよ!?国民も陛下にあきれてしまいます」


シゼルは淡々と言う

――お前は俺の教育係か…まったく若いのにじじくさい

「聞いてますか!?」


「うるさい!おい、ロミオいるか!?」


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