眠り姫~sleeping ready~
レイの部屋はヴァイオレットの部屋をまたいでいかなければならない


気にとめなくてもつい部屋を訪れてしまう


――ヴァイオレットはどうしているか…


よぎるのは、目と目がぶつかった瞬間

あの澄みきった紫色の瞳をおもいだすレイ


「ヴァイオレット様風が出ていますのでお部屋に…」


ふとヴァイオレットと呼ぶ声がレイの耳に入った


「ぇえ…」


あの柔らかい声はたしかにヴァイオレットだった

自然と足がヴァイオレットに向かう


「外にでているのか?」


「これは…陛下…」

シーラは頭を下げた
つられてヴァイオレットも頭を下げる


「ヴァイオレット…そんなに畏まるな。自然でいい」


「で、ですが…」


ヴァイオレットは目を伏せたまま話していた
< 51 / 117 >

この作品をシェア

pagetop