眠り姫~sleeping ready~
――薔薇が何かあるのか?
「いや…ないが」

「なら見て驚くでしょう…薔薇の色を」


ハイド博士はレイのそばにより誰にも聞かせないように耳打ちをした

「…薔薇が咲くのは年に一度、満月が一番高い今日しかないのです、だから誰も知らないのですよ奇妙な薔薇を」

「博士…何が言いたいんだ?」


勿体ぶる博士に少し苛立つ

「陛下…薔薇の色は赤や白…ではなくて紫色をしてるんですよ…お願いは薔薇を一本だけ持ち帰ってほしいのです」


―紫色!?
ありえないだろ…


「ああ…咲いていたらな」

レイはあり得ないとばかりに苦笑いをしてハイドに約束した


「くくっ…陛下…見たら腰が抜けますよ」


楽しみでしかたないとばかりに笑い、レイに背を向けて去っていく


レイはくるりと向き直り急ぎ足で塔に向かった





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