眠り姫~sleeping ready~
ヴァイオレットは涙を貯めた目をレイに向けた

「なぜ謝るのですか…」


「俺にはユウリの変わりができない…俺はレイなんだ」

涙をてでぬぐっていくレイ
「顔や仕草、色んな所が似てるかもしれない…だけど俺はユウリじゃない…ヴァイオレット…悲しいのは解る。一人で溜め込むな…話すことそれはユウリじゃなくても俺でもできるだろ?」


重ねて見てしまう
仕方ないことだとレイには分かっていた


ヴァイオレットの少しでも心が晴れればと思っていた


「話し相手は必要だ…だから俺がヴァイオレットの話をきく」


「陛下…」


ヴァイオレットは声を出しながら泣いた

レイは優しく髪をなでていく

「ごめんなさい陛下…重ねてしまうことを」


「ぁあ…」


この日からレイはヴァイオレットの元へ毎日通う

レイは少しでもヴァイオレットの助けになりたかった

…新しい感情がレイには出てきていた
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