眠り姫~sleeping ready~
「……解った」


渋々頷くレイ
シゼルはほっとした。


「支度をさせておけ、もういいか?用があるんだ」

レイは部屋に掛けられている時計に目を向ける


時刻は昼の3時

――ヴァイオレットの処に行かなければ…


「陛下?」


「悪いが、用があるならあとにしてくれ」


「陛下…何処か行くのですか?」


シゼルはまだ動こうとはしない

支度をすませ侍女たちに引くよう言うレイ
部屋の出口へと向かうが…シゼルがとっさに出口を塞ぐ

「お待ちください陛下」


「まだ何かあるのか?シゼルもういいだろ…小言はうんざりだ」


レイは呆れたように深くため息をつく
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