眠り姫~sleeping ready~
―やっぱり口にしてはいけなかったかしら…


「あの…陛下…」


「気にするな…」


ボソッと呟いたように発したレイをヴァイオレットは覗きこむように見ていた

レイはスッっと立ち上がり手で顔を隠すようにした


「ヴァイオレットが気にするようなこっじゃない」


「ですが…そのっ…」


―クソッ!
シゼルのやつめ…
一緒に連れていくんだったな…


はぁと短いため息をついたレイはヴァイオレットの側にまた座った


ヴァイオレットはレイのグレーの瞳に見つめられドキッとした

…私ったらなぜドキドキするのかしら…


へんな気持ちになり、口を開いた


「2日眠っていただけなのになぜか…昨日…いえ、遥か昔に戻ったみたいでした」
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