臨終




今度は雲母が意地悪く唇を歪めた。日湯は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、吐き出すように言う。


「前の女すら、忘れられないような男が、随分なことを、お言いでないよ」

途切れ途切れに、苦しそうに言い放つ。

雲母は、ただ悲しそうに笑うだけだった。


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