すでに人間じゃないじゃない、



なんか足音が二重に聞こえる。

そう思えば、あたしはとっさに電気を付けてしまった。

カチカチッと蛍光灯が眩いばかりに光を放つ。

視界が明るくなったせいか、何かに対しての恐怖心が軽くなる。

あ、カップラーメンがあった。

醤油味だわ、と少し肩を落とせばまぁなんでもいいか、とカップラーメンの蓋を開きポットを首を捻って探した。


「ポット…、ポット」


ぶつぶつと探し物の名前を呟きながらあたしはポットに近付いた。

そして、なんかのボタンをカチッと押せばカップラーメンのカップにお湯が注がれる。

カップラーメン独特の食欲を沸き立てる臭いが嗅覚を刺激する。

線の上までお湯を注げば蓋を閉め、割り箸を持って素早く部屋へと戻ろうとする。




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