すでに人間じゃないじゃない、


電気をカチッと消して、湯気を立てるカップラーメンを持って足早に階段を登る。

ギッギッと階段が軋む。

その音すら二重に聞こえてくるもんで、余計恐怖心を掻き立てる。


「…っ」


あたしは不意に背後を振り返る。

ホラー映画ならこんな時、幽霊出てくるよね。

だが、あたしの背後には何もいない。

どちらかと言うと、その方が怖いな。

何事もなかったようにあたしは階段を駆け登った。

気にしない、気にしないようにしないと。

あたしが二回に辿りつけば、階段をヒタヒタと登る音がして心臓をバクバクと鳴らした。

自分の部屋の扉を開き、バンッと勢い良く閉めた。


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