すでに人間じゃないじゃない、
「…っふぅ…」
取り敢えずは、もう安心だ。
あたしはなんの根拠もなく体の緊張を解いた。
乱暴に扉を閉めたせいか、カップラーメンから汁がちょっと零れ落ちた。
あとでティッシュで拭いとこうかしら。
そんなことを思いながらカップラーメンを机の上に乗せた。
ギィと、部屋の扉がいきなり開いた。
「…あの……」
不意に背後からした声にあたしは凍り付いた。
自然に生温い風が自分を覆っているような気がした。
まった、今声がしなかったか?
妹でも母親でも父親でもない、初めて聞くような若いか細い声。
あたしは、ガタガタと震え出した指をぎゅっと握り締め勇気を振り絞って振り向いた。
「ひ、ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」