図書室とタオルケット
私はあまりの出来ごとに涙もでなかった。
「お前さぁ・・・くだらない」
「そうか。どうせ最後だ!なんでも言え!!」
そう言って先生は私の髪を掴んだまま腕を持ち上げた。
「・・・。気がすんだらこの手放して」
私はそう言って目を閉じた。
あぁ。あのタオルケットは人からもらえる最後の優しさだったんだ。
このままどうなろうがどうでもいい。
中原が嘘をついた。
私をはめた。
ショックだった。
でも不思議と涙ってものは流れなかった。
涙なんて私の瞳から流れるのかな?
もう泣き方なんて忘れちゃったよ。
大人の権力に真実はこうも簡単に飲まれてしまうんだ・・・。
もう大人なんか信じない。
私は開きかけた心の扉にまた鍵をかけた。