図書室とタオルケット
☆夏☆
一本吸い終わると私は立ち上がった。
そして今度は目的地へ歩きだした。
真実なんてもうどうでもいい。
許すとか許さないとかそんなのは後からでいい。
ただ中原の嘘の理由が聞きたい。
昨日までの私の期待を失わせた中原の行動が知りたい。
今の私に中原に対する憎悪や怒りはなく、代わりに真実を聞きたい純粋な心しかなかった。
図書室に向かう途中で誰かが私を指差して笑った。
誰かは怖がったフリをして私を蔑んだ。
また一人また一人・・・。
そんなものまったく気にならなかった。
いつもならすぐに反応していたのに今日は気にならなかった。
やっぱり今日はいつもと違う。