図書室とタオルケット

私は図書室の前で足をとめた。
大きく深呼吸してからタオルケット片手にドアを開けた。

そこには案の定中原がいた。

「ねぇ、中原。教えて?なんであんなこと言ったの?」
私の口が先走った。
今にも涙が出てきそうだった。
なんでだろう。中原見てると安心する。

中原はこっちを一目見ると一気に顔が青ざめた。

「教えてくれない?」
私は中原に歩み寄った。

「すまない。俺は嘘をついた」
中原は深々と頭を下げた。

「違う。謝ってなんかほしくない」
私は中原の肩を揺さぶった。

「俺は、お前みたいなやつが嫌いだ」
中原はそう言って頭を上げた。

< 25 / 45 >

この作品をシェア

pagetop