図書室とタオルケット
私は図書室の前で足をとめた。
大きく深呼吸してからタオルケット片手にドアを開けた。
そこには案の定中原がいた。
「ねぇ、中原。教えて?なんであんなこと言ったの?」
私の口が先走った。
今にも涙が出てきそうだった。
なんでだろう。中原見てると安心する。
中原はこっちを一目見ると一気に顔が青ざめた。
「教えてくれない?」
私は中原に歩み寄った。
「すまない。俺は嘘をついた」
中原は深々と頭を下げた。
「違う。謝ってなんかほしくない」
私は中原の肩を揺さぶった。
「俺は、お前みたいなやつが嫌いだ」
中原はそう言って頭を上げた。