図書室とタオルケット
夕方の公園のは、誰もいなかった。
私はあの頃涼が座っていた特等席に座った。
涼はまだ来ていなかった。
そんな時、誰かの手が私の目を塞いだ。
「可愛い瞳が腫れてるよ」
「涼!?」
「何があったの?」
私は中原の事や今日の出来ごと全てを話した。
「杏。頑張ったな」
涼は私を強く強く抱きしめた。
私は涼にしがみついて思い切り泣いた。
「俺たちは誰からも求められない。嫌われる運命なんだ」
私たちが劣等性になるきっかけは些細なすれ違いだった。
6年生になったある日。
クラスの一人が授業中にガムを噛んでいたのがバレてクラス会議が開かれた。
「祐二。おまえガムなんて噛んで、まったく兄弟そろって馬鹿3兄弟だ」
担任が祐二の髪を鷲掴みにした。
「先生、こいつがガム噛んでたのが悪い。でもこいつの兄ちゃんを馬鹿にする必要なんだろ!」
雄志が怒鳴った。
「雄志、お前はいつもみたいに寝てろ。こんな時ばっかり意見しやがって!この屑!!」
担任は今度は雄志の机に唾を吐いた。
「てめぇー!」
雄志が担任の胸ぐらをつかんだ。