図書室とタオルケット
「やめろ雄志!お前も悪くなる」
止めに入ったのは涼だった。
「涼、こいつ祐二を馬鹿にしたんだぞ!」
「分かってる!でもこいつを殴ればお前の正義は通らなくなる」
私は涼の肩に腕をまわした。
「祐二に謝ってもらわないと気が済まない!」
「杏も落ち着け。ちょっとは利口な頭使え」
「っちぇ」
私は目の前の机を蹴り飛ばした。
「おい!祐二お前みたいな奴が学校を悪くする」
そういって担任は教卓から作文用紙を出してきた。
「いいか。ここにお前たちの思っていること、素直に書け。
これにはどんなことを書いてもいい。俺しか見ない」
そう言って作文用紙を配りだした。
「なんだよこれ!俺は書かない」
誰かが作文用紙を丸めて捨てた。
「私も・・・。あいつのあんな態度、許せない」
クラス全員が作文用紙に担任に対する中傷書きをして提出した。
「ちなみに、野々宮杏・神保雄志・笹原祐二・二階堂涼・美桜凛。俺はお前ら嫌い」
担任の梅見はそう言い残して教室を後にした。