図書室とタオルケット

涼しい風が吹いていた。

なんていい昼寝日和なんだろう♪
思い切り大きな欠伸をし、伸びをした。
「気持ち〜」

ん…?

一番奥の窓際で女の子が寝ていた。

俺はその子に一瞬で釘付けになった。
優しい顔で寝ているその子はどこが辛そうだった。
そばに行くと、数学の課題の途中だったようだ。

俺は無意識のうちにその子の課題を完成させてしまっていた。

この子を見ているといろんなことを思い出す。


俺が教師を目指すきっかけになったあの出来事を思い出す。
未だに癒えない傷が奥深くから浮かび上がってきた。


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