白衣の天使
「ところでサンドイッチは?」

「あなたが遅いから、もう無いわよ。」

「え~っ!?」

「冗談よ。ちゃんと残してあるわ。」

睡魔に襲われながらもなんとか二人の声に聞き耳をたてていたが、聞こえてくるのは恋人同士の他愛のない会話だけ。

カトレアの思い過ごしかと思った途端に力が抜け、我慢していた眠気が再びやってきたのである。

そんな薄れゆく意識の中で最後にカトレアに聞こえてきたのは



「・・・うまくいっているようだな・・・」


夢だったのか現実だったのか、正直カトレアにははっきり分からなかったが、そう言ったニックの声は低く、そして冷たく感じた。

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