白衣の天使
古い感じのアパートで、お世辞にも決して綺麗とは言えない造りである。

部屋は2階の一番端。

・・・ロイドの後ろをついてきただけのカトレアには、ロイドの行動に疑問を感じていたのだ。

車を降りた時もそうであったが、この部屋の扉に辿り着いた時もそうである。

迷わず階段を登り、迷わずこの部屋の前に立ったロイド。

あたかも何度かここに来た事があると言わんばかりであった・・・。

「何度か来たことあるの?」

「・・・いや、初めて来たよ。」

カトレアはそれ以上つっこんで聞かなかったが、それは明らかにウソであった。

ロイドは最低でも1回は来たことがあるはずである。

・・・それはニックの両親が亡くなったときに・・・。
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