白衣の天使
カトレアの話す言葉一つ一つに、鋭い目でただ黙って聞いているロイド。

話が終わると、ロイドはゆっくりと口をひらいた。

「つまり君は『セシルに見せたい物がある』と言われて孤児院に行ったという訳か・・・。でも押収したセシルの私物の中には、特に気になる物は無かったはずだが・・・」

そう言いロイドは手帳を広げた。

おそらく押収した物のリストでも書いてあるのであろう。

その時、カトレアはセシルの宝物の存在を思い出したのである。

「その私物の中に、幼い頃のニックのアルバムは無かった?」

カトレアの言葉にロイドは首をかしげながら再び手帳を覗き込んだ。

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