白衣の天使
ロイドがトッドと合流して、真っ暗な孤児院に入って行くと、そこには見知らぬ人が立っていたのだ。

そして思わずロイドは

「・・・ニックじゃないよな?」

ハナッからニックだと思い込んでいたロイドは、少し安心したような表情を浮かべ

「こんな時間に何をしている?」

そう言いながらロイドはその人影に近づいて行った。

その時、人影の動きが怪しく感じたトッドは

「先輩待って!」

けれどトッドの声は、虚しく銃声にかき消されてしまったのだった。



話を聞き終えたカトレアは膝からその場に崩れ落ちた。

「本当に・・・すみません。」

目から涙を浮かべ、トッドはその言葉しか言えずに、ただ立ちつくしていた。


これでもう一人の『過去を知る人物』が居なくなってしまったのである。


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