白衣の天使
遠い目でマリアを見ていると、マリアは振り返り

「ママ、勉強教えてよ。」と、

マリアも母と同じ看護婦をめざし、日夜勉強中で、先輩看護婦としてカトレアも娘の勉強に付き合っていた。

カトレアが看護婦だった頃とは時代も違い、今の医療に戸惑うところもあったが、患者に対する気持ちは今も昔も変わらない。

母から教わる全てにマリアも真剣耳を傾け、母カトレアを尊敬していた。

そして母の良きアドバイスのおかげで、小さいながらも無事に地元の病院に配属される事になったのである。

やはり血は争えないもので、マリアが『白衣の天使』と呼ばれるようになるのに、そんなに時間はかからなかった。
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