白衣の天使
何度となく見ている『夢』ではあるが、この日も目を覚ましたカトレアは涙を流し、身体は震えていた。

ただ、いつもと多少違う内容に、違和感を感じたカトレアであった。

しばらく震えの治まるのを待っていると、カトレアの部屋の外から、バタバタと慌ただしい音や声がするのが聞こえ始めた。

カトレアは耳を澄ますと

「電車の時間、何時だった?どうして前もって用意しておかないのよー。」

と、マリアの声である。

ようやく震えが治まったカトレアは、ベッドから起き、部屋の扉を開けた。

するとエプロン姿のマリアがバタバタと家中を走り回っている。

そしてニックはスーツを着て、少し大きめのカバンを持って立っていたのであった。

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