白衣の天使
トッドは携帯を取り出し、救急車と警察に応援を呼んでいる。

その横でニックは観念したのか下を向いて黙って座っていた。

そしてカトレアは・・・

「私・・・ママに殺されるって・・・思ってた・・・最後の最後で・・・自分の間違いに・・・気付く・・・なんてね・・・。」

「分かったから、もう喋らないで。すぐに救急車が来るから・・・」

流れる涙を拭う事なく、カトレアはマリアの手を握っている。


そして・・・

「ママ・・・ごめん・・・なさい・・・」

そう言ってマリアは静かに目を閉じたのであった。

「マリア・・・?」

力無く発したカトレアの言葉は、虚しく部屋に響いただけであった。

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