白衣の天使
・・・

食べ終わり、食器を片付けていると、マリアがテーブルの隅に置いてある腕時計を見つけた。

「あら、これニックのだわ。昨日忘れていったのね。」

そう言ってテーブルに戻し

「また取りに来るように言っておくわ。」

チラッと時計を見て、少し急いだ様子で玄関に向かっていったマリアに

「おい!もう行くのか?」

ロイドはパンをほおばりマリアを追いかけた。

「行ってきます。」

「行ってくるよ。」

戦争のようないつもの朝が去って行き、いつものようにカトレアは洗濯や掃除を始めた。

ようやく一段落して時計を見ると12時を指していた。

カトレアは休む暇なく昼食の準備。作り終わったのは約10分くらい。それをテーブルに並べ、数時間ぶりにカトレアは腰を下ろしたのである。

同じような毎日の繰り返しだったがカトレアは満足していた。

けれどもそんな毎日も今日だけは違ったのだ。

そう、忘れていった腕時計を取りに再びニックがやってくるまでは・・・。

それは丁度、カトレアが昼食を食べ終わった頃、ジリリリン!ど玄関のチャイムと共にやってきた。
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