白衣の天使
「誕生日の次の日の朝の事でした・・・。」

静かに口を開いたセシルは更に話を続ける。

「元々、朝はあまり強くなかったニックなので、毎朝、私が起こしに行くようになっていました。その日もいつものようにニックの部屋に行くと、ニックと・・・ニックの荷物はなくなっていたのです。」


「居なくなっていた?・・・捜索願いは?」


「もちろん私達は捜索願を出そうと話し合いました。けれど・・・ニックの部屋のゴミ箱から、住所が書いてあるクシャクシャになったメモを見つけて、捜索願を出すのをやめたのです。」

そう言ってセシルはそのアニーの写真の裏に挟んであったメモを取り出した。
< 65 / 208 >

この作品をシェア

pagetop