白衣の天使
「・・・ところで、どんな服なの?そんなにほしい服って?」

「白いワンピース。ん~とねぇ、腕の部分が・・・」

うれしそうに語っているマリア。

話しながらそのワンピースを思い出したのか、身を乗り出して、まだかまだかと店を見つめている。

そして駐車場に車を停めた瞬間


『バタンッ』


と、ロイドとカトレアが振り返ったときには、後部座席にすでに姿はなく、マリアは店に向かって走っていた。
そんなマリアを見て、ロイドと二人目を合わして笑っている。

特に急ぐわけ用事はない二人はゆっくり車を降り、寄り添うようにマリアの後を追った。
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