【超短編】すきって言って
怖
あれから1カ月が過ぎ、
私たちの間には
小さな距離ができ始めていた。
少し前まであんなにうれしかった
彼からのメールにも、
何も感じなくなってきて。
日常の会話では、
物足りなく感じる自分がいた。
もっと好きっていってほしい。
あなたの笑顔が見たい。
ぎゅってしてほしい。
そんなふうに、
だんだん欲張りになって、
・・・でもそんなこと言えなくて。
指先で打つ文字はいつも
“物分かりのいい自分”だった。
だってね、
君に嫌われるのがすごく怖かったんだ。
矛盾・・・してるよね。