ハルアトスの姫君―君の始まり―
【キースside】
「それじゃ、ミア。ジアをよろしくね。」
「あ…はい。あの…キース様。」
まだ慣れない『様』呼びに応じて、ミアに視線を移した。
金の猫は小さく寝息を立てている。
「何かな?」
「あの…クロハが何を言うかは…大体予測がついてると思うんですけど…。」
ミアのその言葉に正直、やや慄いた。
彼女はもしかすると、ジアよりもずっと鋭いのかもしれない。
―――確かに。クロハが何を言おうとしているのか、大体の見当はついていた。
「…そうだね。」
「でも、気を悪くしないでください…。私達はずっと…信じられるものがなかったから…。そしてクロハはそれを知る唯一の人物だから…余計に過敏なんです。」
彼女が言わんとすることは明白だった。
クロハは自分たちの呪いの正体を知ってそれでも傍にいてくれた貴重な存在。
だからジアの言うところの『家族』みたいだという感覚には確かに当てはまっている。
家族のように無条件に何でも受け入れてくれる、それこそ『大切な人』なのだろう。
大切だと思っているのはジアたちだけではない、というのも見た目に明らかだった。
クロハもそれと同じだけ、彼女たちを大切に想っている。
持ち前の責任感が、彼をここまで連れて来た。
「そうだね。分かってるよ。」
「でも…分かっていても傷付かないとは言い切れませんから。」
相手の心配ばかりするところも似ている。
ミアと話せば話すほど、ジアと似ているところを見つけてしまっている自分に戸惑った。
「それじゃ、ミア。ジアをよろしくね。」
「あ…はい。あの…キース様。」
まだ慣れない『様』呼びに応じて、ミアに視線を移した。
金の猫は小さく寝息を立てている。
「何かな?」
「あの…クロハが何を言うかは…大体予測がついてると思うんですけど…。」
ミアのその言葉に正直、やや慄いた。
彼女はもしかすると、ジアよりもずっと鋭いのかもしれない。
―――確かに。クロハが何を言おうとしているのか、大体の見当はついていた。
「…そうだね。」
「でも、気を悪くしないでください…。私達はずっと…信じられるものがなかったから…。そしてクロハはそれを知る唯一の人物だから…余計に過敏なんです。」
彼女が言わんとすることは明白だった。
クロハは自分たちの呪いの正体を知ってそれでも傍にいてくれた貴重な存在。
だからジアの言うところの『家族』みたいだという感覚には確かに当てはまっている。
家族のように無条件に何でも受け入れてくれる、それこそ『大切な人』なのだろう。
大切だと思っているのはジアたちだけではない、というのも見た目に明らかだった。
クロハもそれと同じだけ、彼女たちを大切に想っている。
持ち前の責任感が、彼をここまで連れて来た。
「そうだね。分かってるよ。」
「でも…分かっていても傷付かないとは言い切れませんから。」
相手の心配ばかりするところも似ている。
ミアと話せば話すほど、ジアと似ているところを見つけてしまっている自分に戸惑った。