ハルアトスの姫君―君の始まり―
ドアをゆっくり開けると、苦しそうな表情の3人がいた。
もちろんミアは猫の姿だが表情は険しい。
「クロハとミアは私が運ぼう。ジアは任せるぞ。」
「全員俺が運びますよ。
シュリ様はお休みになられた方が…。」
さすがに気付いた。
シュリ様とシャリアスの関係性と、それに少なからず動揺しているシュリ様に。
『シャリアス・ウドリック』
彼が想い人であったこと。
今はもう、あまりにも隔たった位置にいることにも。
「気遣い無用だ。…私は別段、疲れてなどいない。」
「そんな風には見えません。」
「生意気になったものだ、キース。
私は平気だと言っている。」
「…これ以上、何を言っても無駄ですね。そうですか、と言って認めることにします。」
「ああ、それが賢明だ。ジアは任せた。」
「分かりました。」
一瞬だけ微笑みを見せたシュリ様は、クロハとミアに浮遊の魔法をかけ、部屋へと運んだ。
広いリビングにジアの苦しそうな息使いだけが残る。
俺はジアの眠るソファーにそっと腰を下ろした。
もちろんミアは猫の姿だが表情は険しい。
「クロハとミアは私が運ぼう。ジアは任せるぞ。」
「全員俺が運びますよ。
シュリ様はお休みになられた方が…。」
さすがに気付いた。
シュリ様とシャリアスの関係性と、それに少なからず動揺しているシュリ様に。
『シャリアス・ウドリック』
彼が想い人であったこと。
今はもう、あまりにも隔たった位置にいることにも。
「気遣い無用だ。…私は別段、疲れてなどいない。」
「そんな風には見えません。」
「生意気になったものだ、キース。
私は平気だと言っている。」
「…これ以上、何を言っても無駄ですね。そうですか、と言って認めることにします。」
「ああ、それが賢明だ。ジアは任せた。」
「分かりました。」
一瞬だけ微笑みを見せたシュリ様は、クロハとミアに浮遊の魔法をかけ、部屋へと運んだ。
広いリビングにジアの苦しそうな息使いだけが残る。
俺はジアの眠るソファーにそっと腰を下ろした。