ハルアトスの姫君―君の始まり―
だから今は
* * *
「っ…たぁ…。」
朝の眩しい光が窓から差し込んできて、ゆっくりと目を開けた。妙に頭が痛い。
「あたし…泣いてる…?」
枕は少し濡れていた。
頬も心なしか濡れていて、涙の筋が残っている。
「…なんで…あたし…。」
ゆっくり記憶を手繰り寄せる。
…哀しい夢を見た。
追い掛けても追い掛けても遠ざかっていく、あの背中。
言われた言葉は…『さよなら』
「夢…だよ…ね…?」
キースが離れていくなんてこと、あるはずがない。
ただの夢。それもとびきり悪い夢だったんだ。
頭の中でそう言い聞かせ、ゆっくりと立ち上がった。
早く、キースを見たい。
夢だって分かっているけれど、なんだかいなくなってしまいそうな気もしたから。
トントントンと軽快なリズムを奏でながら階段を降りる。
そこには…
「あ、おはよう。ジア。」
優しく微笑むキースがいた。
たったそれだけの、いつも通りのことなのに何故かひどく安心する。
「っ…たぁ…。」
朝の眩しい光が窓から差し込んできて、ゆっくりと目を開けた。妙に頭が痛い。
「あたし…泣いてる…?」
枕は少し濡れていた。
頬も心なしか濡れていて、涙の筋が残っている。
「…なんで…あたし…。」
ゆっくり記憶を手繰り寄せる。
…哀しい夢を見た。
追い掛けても追い掛けても遠ざかっていく、あの背中。
言われた言葉は…『さよなら』
「夢…だよ…ね…?」
キースが離れていくなんてこと、あるはずがない。
ただの夢。それもとびきり悪い夢だったんだ。
頭の中でそう言い聞かせ、ゆっくりと立ち上がった。
早く、キースを見たい。
夢だって分かっているけれど、なんだかいなくなってしまいそうな気もしたから。
トントントンと軽快なリズムを奏でながら階段を降りる。
そこには…
「あ、おはよう。ジア。」
優しく微笑むキースがいた。
たったそれだけの、いつも通りのことなのに何故かひどく安心する。