ハルアトスの姫君―君の始まり―
『お嬢ちゃん、ちょっとオーラが違うねぇ…。』
「え?」
『その猫も、だけど。』
「わ…分かるんですか、ミアのこと…。」
『フクザツな呪い、ってことだけだけどねぇ…。』
「…すごい…。」
『あたいは魔力を持った箒なんだからこのくらいはチョロいのさ。
さぁさぁお嬢ちゃんもその猫も乗った乗った。
ハルアトスまでなんてぶっ飛ばしてやるんだからね。』
「え…それはちょっと…。」
『目的、あるんだろう?』
「え?」
『そうでもなきゃこのご時世にハルアトスの王宮に向かおうなんて思わないさ。
ま、何かまではヤボだから訊かないけど、せいぜい頑張るんだね。』
「あ…ありがとうございます!」
『シュリ!魔力を少し寄越しなね!』
「まったく…魔力も大きいが図太さもかなりのものだな、相変わらず。」
呆れた表情を浮かべながらシュリが箒に手をかざす。
その瞬間に箒の周りは温かい光に包まれた。
『んー…お前の魔力は心地良いほどあたいに合うよ、シュリ。』
「それは光栄だな。
ではジア、行くぞ。」
「うんっ!」
箒に跨った。ミアがその肩にきゅっと爪を立て、あたしの頬に寄り添う。
玄関のドアが開き、風が吹き込んでくる。
その風が箒を包み、ふわっと身体が浮き上がった。
「え?」
『その猫も、だけど。』
「わ…分かるんですか、ミアのこと…。」
『フクザツな呪い、ってことだけだけどねぇ…。』
「…すごい…。」
『あたいは魔力を持った箒なんだからこのくらいはチョロいのさ。
さぁさぁお嬢ちゃんもその猫も乗った乗った。
ハルアトスまでなんてぶっ飛ばしてやるんだからね。』
「え…それはちょっと…。」
『目的、あるんだろう?』
「え?」
『そうでもなきゃこのご時世にハルアトスの王宮に向かおうなんて思わないさ。
ま、何かまではヤボだから訊かないけど、せいぜい頑張るんだね。』
「あ…ありがとうございます!」
『シュリ!魔力を少し寄越しなね!』
「まったく…魔力も大きいが図太さもかなりのものだな、相変わらず。」
呆れた表情を浮かべながらシュリが箒に手をかざす。
その瞬間に箒の周りは温かい光に包まれた。
『んー…お前の魔力は心地良いほどあたいに合うよ、シュリ。』
「それは光栄だな。
ではジア、行くぞ。」
「うんっ!」
箒に跨った。ミアがその肩にきゅっと爪を立て、あたしの頬に寄り添う。
玄関のドアが開き、風が吹き込んでくる。
その風が箒を包み、ふわっと身体が浮き上がった。