ハルアトスの姫君―君の始まり―
「まずは下調べをするべきであろう。
城の内部の詳細は分からなくとも、その周囲や城下の生活を知らずして何もできまい。
…城に潜入するとして、それはハルアトスに到着して、諸々の調べが終わってからになる。下手をしたら1ヶ月は潜入できないかもしれない。」
「1ヶ月!?」
「…ジアよ。お前は少々短絡的すぎる。
急く思いを否定はしないが、思えばこそ、計画的に動かねばなるまい。
…失敗は許されない。小さなミスが自分の死、仲間の死、キースの死を引き起こすやもしれん。」
〝死〟という言葉が脳内でやけに重く響く。
…自分が今やろうとしていることは、そういうことだ。
あるかもしれない〝氷の涙〟を求めて。
…今は傍にいない、大切な仲間を探して。
「おれもシュリの意見に賛同だな。
情報が足りねぇよ、どう考えても。」
「…そう、かもしれない。」
「…ジア。一つ、お前に言っておかなくてはならぬことがある。」
「…な、なに…?」
シュリの声が今までに聞いたことがないくらいに落ち着いたものへと変わって、ドキリとする。
…一体何を言われるのだろうか?
「迷うな、決して。」
「…え…?」
城の内部の詳細は分からなくとも、その周囲や城下の生活を知らずして何もできまい。
…城に潜入するとして、それはハルアトスに到着して、諸々の調べが終わってからになる。下手をしたら1ヶ月は潜入できないかもしれない。」
「1ヶ月!?」
「…ジアよ。お前は少々短絡的すぎる。
急く思いを否定はしないが、思えばこそ、計画的に動かねばなるまい。
…失敗は許されない。小さなミスが自分の死、仲間の死、キースの死を引き起こすやもしれん。」
〝死〟という言葉が脳内でやけに重く響く。
…自分が今やろうとしていることは、そういうことだ。
あるかもしれない〝氷の涙〟を求めて。
…今は傍にいない、大切な仲間を探して。
「おれもシュリの意見に賛同だな。
情報が足りねぇよ、どう考えても。」
「…そう、かもしれない。」
「…ジア。一つ、お前に言っておかなくてはならぬことがある。」
「…な、なに…?」
シュリの声が今までに聞いたことがないくらいに落ち着いたものへと変わって、ドキリとする。
…一体何を言われるのだろうか?
「迷うな、決して。」
「…え…?」