ハルアトスの姫君―君の始まり―
* * *
「なっ…なにこれ…。」
床から放たれた黄色い光がゆらゆらとゆらめいている。そんな中でキースがあたしの腰に手をあて、口を開いた。
「ジア、ごめん。ちょっと降ろすよ?」
「へっ…ひゃあ!」
両方の手で腰を持たれ、そっとキースの上から降ろされる。キースは何事もなかったかのように立ち上がった。
「…そうか、涙。俺は〝半分〟だけど効果はあったってことか。」
「意味分かんないんだけど…っていうかキース…なんだよね?」
少し不安で、キースの顔を見上げながらそう問う。するとキースの頬がぎこちなく緩んだ。
「…うん。ちゃんと〝俺〟だよ。」
「…覚えてるの?あたしのこともみんなのことも…。」
声が震えた。情けないとは分かっていても揺らぐ声が憎い。
「覚えてるよ。謝らなくちゃいけないこともたくさんしたってこと…もね。」
「っ…。」
笑顔の隣にもっと複雑な感情を映しているキースの表情に言葉が詰まった。
「謝りたいのは山々なんだけど、それはひとまず後でもいいかな?」
「え…?」
「約束しよう。今度は絶対に俺から破らないから。
全て終わるまで〝生きる〟
全て終わったら、ちゃんと話をしよう。全部話すから。」
キースの柔らかくて穏やかな表情に、あたしはとても自然に頷いた。
その瞬間、いつの間にかできていた穴に飲み込まれ、視界が黒で染まった。
「なっ…なにこれ…。」
床から放たれた黄色い光がゆらゆらとゆらめいている。そんな中でキースがあたしの腰に手をあて、口を開いた。
「ジア、ごめん。ちょっと降ろすよ?」
「へっ…ひゃあ!」
両方の手で腰を持たれ、そっとキースの上から降ろされる。キースは何事もなかったかのように立ち上がった。
「…そうか、涙。俺は〝半分〟だけど効果はあったってことか。」
「意味分かんないんだけど…っていうかキース…なんだよね?」
少し不安で、キースの顔を見上げながらそう問う。するとキースの頬がぎこちなく緩んだ。
「…うん。ちゃんと〝俺〟だよ。」
「…覚えてるの?あたしのこともみんなのことも…。」
声が震えた。情けないとは分かっていても揺らぐ声が憎い。
「覚えてるよ。謝らなくちゃいけないこともたくさんしたってこと…もね。」
「っ…。」
笑顔の隣にもっと複雑な感情を映しているキースの表情に言葉が詰まった。
「謝りたいのは山々なんだけど、それはひとまず後でもいいかな?」
「え…?」
「約束しよう。今度は絶対に俺から破らないから。
全て終わるまで〝生きる〟
全て終わったら、ちゃんと話をしよう。全部話すから。」
キースの柔らかくて穏やかな表情に、あたしはとても自然に頷いた。
その瞬間、いつの間にかできていた穴に飲み込まれ、視界が黒で染まった。