ハルアトスの姫君―君の始まり―
ジアがすっと手をかざす。その瞬間…


「なっ…!」


すっと動きを止めたのは、ジョアンナの手から発せられた炎。


「ジア…?」

「あ、あれっ…?剣抜こうと思ったのに…あれっ…?」

「時を止めた…。まだジアが完全にコントロールしてるわけじゃなくて、多分魔力がジアの身体を動かしてるけど…でも、暴走はしていない…。」

「封印された魔力など、恐るるに足らん!」

「っ…よ、よく分かんないけどっ…止まれっ…!」





ピーンと張りつめた空気。
―――というよりは、時が止まっている。放たれた魔法も、ジョアンナも。





「う、うわっ…!」

「ジアっ…!」





勢い余って転びそうになるジアに手を伸ばす。
そのジアが時を止められたジョアンナに触れる。





「っ…これっ…。」


ジアの腕を掴んでそのまま引く。俺の身体がジアの負荷を感じたとき、ジアの身体が光った。

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