ハルアトスの姫君―君の始まり―
「ミアを困らせたことに対する謝罪だよ。おればっかり好きなこと言って…。」
「自分ばっかりって思うなら…私も好き勝手言っても…いい…?」
「好き勝手…?」
「クロハが好き勝手言ったのを、私はちゃんと聞いた。
だったらクロハも私が好き勝手言ったことを同じようにちゃんと聞いてくれたら謝る必要はなくなるでしょう?」
「それはまぁ…理に適ってるな。」
「…って思うなら、聞いて。」
「分かった。」
ミアは一度、深く深呼吸をしてから口を開いた。
「…私は、嬉しかった。だから涙が出た。
こんなこと言ったら、クロハが怒ってしまうかもしれないけど…呪いが解けたときよりもずっとずっと嬉しかった。」
ミアが微笑を浮かべた。涙に滲むその笑顔は今まで見たどんなミアよりも美しかった。
「…立場…のこと…も、少しは分かってる…。
お父様とお母様とはあんまり話ができていないから…自分の立場をはっきりと感じているわけじゃない…けど。
でも、自分の気持ちを抑えて生きることは…もう、したくない。」
ミアの目はあまりにも曇りなく、真っすぐだった。
逸らさずにいるには力が必要だった。
「私はもう猫じゃない。人間よ。
だから好きな人には自分の声で、自分の言葉で伝えることができるの。
…好き、だって。」
ミアの口から出た〝好き〟という言葉がやけに耳の中で反響する。
「嬉しかったのは…涙が出るほど嬉しかったのは…
クロハのことが、好き…だから。」
真っすぐなミアの目がより一層涙で潤んだ。
「自分ばっかりって思うなら…私も好き勝手言っても…いい…?」
「好き勝手…?」
「クロハが好き勝手言ったのを、私はちゃんと聞いた。
だったらクロハも私が好き勝手言ったことを同じようにちゃんと聞いてくれたら謝る必要はなくなるでしょう?」
「それはまぁ…理に適ってるな。」
「…って思うなら、聞いて。」
「分かった。」
ミアは一度、深く深呼吸をしてから口を開いた。
「…私は、嬉しかった。だから涙が出た。
こんなこと言ったら、クロハが怒ってしまうかもしれないけど…呪いが解けたときよりもずっとずっと嬉しかった。」
ミアが微笑を浮かべた。涙に滲むその笑顔は今まで見たどんなミアよりも美しかった。
「…立場…のこと…も、少しは分かってる…。
お父様とお母様とはあんまり話ができていないから…自分の立場をはっきりと感じているわけじゃない…けど。
でも、自分の気持ちを抑えて生きることは…もう、したくない。」
ミアの目はあまりにも曇りなく、真っすぐだった。
逸らさずにいるには力が必要だった。
「私はもう猫じゃない。人間よ。
だから好きな人には自分の声で、自分の言葉で伝えることができるの。
…好き、だって。」
ミアの口から出た〝好き〟という言葉がやけに耳の中で反響する。
「嬉しかったのは…涙が出るほど嬉しかったのは…
クロハのことが、好き…だから。」
真っすぐなミアの目がより一層涙で潤んだ。