ハルアトスの姫君―君の始まり―
君の始まり
* * *
暖かい光が目元を照らす。その眩しさに耐えきれなくなって目を開けた。
白くて高い天井。
―――一体ここはどこなのだろう?
ふと右手に感じるのは柔らかい温もり。
その温もりの方に目を向けると…
「っ…!」
あまりの至近距離に身体がぴくんと反応した。その反応に気付いて、眠っていたキースは目を覚ましたらしい。
「…ジ…ア…?ジア…!目が覚めたんだね…?」
自分の顔を見るなりぱぁっと明るく表情を変えたキースに笑顔を返したかったが、どうも身体が思うように動かない。そもそも身体を起こすことすらできない。全身に力が入らない。
「キー…ス…?」
「…目覚めてくれて良かったよ。1週間も眠っていたんだ。
ジアが目を覚ましたって聞いたらみんなも喜ぶ。」
「…キース…」
「身体は無理に起こさなくていいよ。
…というか多分まだ無理だと思う。1週間も眠っていたんだから。」
「こ…こは…?」
「ハルアトス城だよ。ここはジアの部屋だ。」
「…あたし…の…?」
「うん。あ、まずはみんなにジアが目を覚ましたことを伝えないと。
ジアはまだ無理せずゆっくり…。」
「っ…。」
思わずキースの服の裾を掴んだ。さっきまで身体が全然動かなかったはずなのに。反射のような行動に一番驚いたのは紛れもなく自分だ。
そんなあたしの行動にキースも一瞬驚いた表情を浮かべたものの、あたしの手をそっと優しく包んで口を開いた。
「…大丈夫だよ。俺はもう、勝手に目の前から消えたりしない。
ちゃんと話そうって決めたから。」
優しく微笑むキースに何故だか急に涙が出た。
暖かい光が目元を照らす。その眩しさに耐えきれなくなって目を開けた。
白くて高い天井。
―――一体ここはどこなのだろう?
ふと右手に感じるのは柔らかい温もり。
その温もりの方に目を向けると…
「っ…!」
あまりの至近距離に身体がぴくんと反応した。その反応に気付いて、眠っていたキースは目を覚ましたらしい。
「…ジ…ア…?ジア…!目が覚めたんだね…?」
自分の顔を見るなりぱぁっと明るく表情を変えたキースに笑顔を返したかったが、どうも身体が思うように動かない。そもそも身体を起こすことすらできない。全身に力が入らない。
「キー…ス…?」
「…目覚めてくれて良かったよ。1週間も眠っていたんだ。
ジアが目を覚ましたって聞いたらみんなも喜ぶ。」
「…キース…」
「身体は無理に起こさなくていいよ。
…というか多分まだ無理だと思う。1週間も眠っていたんだから。」
「こ…こは…?」
「ハルアトス城だよ。ここはジアの部屋だ。」
「…あたし…の…?」
「うん。あ、まずはみんなにジアが目を覚ましたことを伝えないと。
ジアはまだ無理せずゆっくり…。」
「っ…。」
思わずキースの服の裾を掴んだ。さっきまで身体が全然動かなかったはずなのに。反射のような行動に一番驚いたのは紛れもなく自分だ。
そんなあたしの行動にキースも一瞬驚いた表情を浮かべたものの、あたしの手をそっと優しく包んで口を開いた。
「…大丈夫だよ。俺はもう、勝手に目の前から消えたりしない。
ちゃんと話そうって決めたから。」
優しく微笑むキースに何故だか急に涙が出た。