ハルアトスの姫君―君の始まり―
「ミア!…やっぱりミアの方がお姫様っぽい…。分かってたけど。」
「そんなことないです。お姉様は大変美しいと思いますよ。」
「…そんなことの方がない。」
ミアのゆったりとした口調、そして醸し出される穏やかな雰囲気はとてもあたしに出せるものじゃない。
あたしが姉だからこそ第一王位継承者だけど、正直に言えばミアの方がどう見たって適任だ。
「ジア、ミア。…緊張はしていないか?」
「お父様!」
ハルアトス城の現主、国王であるお父様。
あたしたちが戻ってからというもの、公務に忙しくあまりお会いできていないが、忙しい公務の合間を縫ってあたしたちとの時間を作ろうとしてくれていた。
…最初は戸惑いもあったけれど、たくさん話をしていくうちになんだかしっくりくるような感覚を感じていた。
家族なのだと、あたしの血がそう言っているような…不思議な感覚があった。
「二人とも、とっても綺麗だわ。」
「お母様…!」
ハルアトス家王妃のお母様。
雰囲気はそのままジアに受け継がれている。でも目だけはお母様の目に似ているとよく言われる。
「…あまり堅苦しくならず、ありのままのお前たちでいなさい。
それはしっかりと国民に伝わる。だから、話したいことを、伝えたいことを自分の思い描くままに話せば良い。」
「はい。」
お父様の言葉に強く頷いた。
話したいことならば決まっている。半年前にキースに伝えた言葉をそのまま国民にも伝えたい。
…ねぇ、キース。
あたしは今日、一歩を踏み出すよ。
あなたは今どこで、どうしているの?
―――想わない日は、一日だってなかった。
「そんなことないです。お姉様は大変美しいと思いますよ。」
「…そんなことの方がない。」
ミアのゆったりとした口調、そして醸し出される穏やかな雰囲気はとてもあたしに出せるものじゃない。
あたしが姉だからこそ第一王位継承者だけど、正直に言えばミアの方がどう見たって適任だ。
「ジア、ミア。…緊張はしていないか?」
「お父様!」
ハルアトス城の現主、国王であるお父様。
あたしたちが戻ってからというもの、公務に忙しくあまりお会いできていないが、忙しい公務の合間を縫ってあたしたちとの時間を作ろうとしてくれていた。
…最初は戸惑いもあったけれど、たくさん話をしていくうちになんだかしっくりくるような感覚を感じていた。
家族なのだと、あたしの血がそう言っているような…不思議な感覚があった。
「二人とも、とっても綺麗だわ。」
「お母様…!」
ハルアトス家王妃のお母様。
雰囲気はそのままジアに受け継がれている。でも目だけはお母様の目に似ているとよく言われる。
「…あまり堅苦しくならず、ありのままのお前たちでいなさい。
それはしっかりと国民に伝わる。だから、話したいことを、伝えたいことを自分の思い描くままに話せば良い。」
「はい。」
お父様の言葉に強く頷いた。
話したいことならば決まっている。半年前にキースに伝えた言葉をそのまま国民にも伝えたい。
…ねぇ、キース。
あたしは今日、一歩を踏み出すよ。
あなたは今どこで、どうしているの?
―――想わない日は、一日だってなかった。