ハルアトスの姫君―君の始まり―
* * *
「お姉様、入りますよ?」
「ジアー…体調どうだって…うわ!」
ミアとクロハが1週間ほどのジェリーズ滞在から王宮に帰って来た。
そんな二人の目に飛び込んできたのは、キースの腕にしっかりと抱かれて眠るジアだった。ちなみにキースもぐっすりと眠っている。
「っ…こいつら…!つーか陛下とか王妃様ならともかく他の奴らに見られたら…!」
「そのあたり、キース様の施錠の魔法が施されていたわよ?」
「はぁ!?じゃあなんで…。」
「魔力のある者が触れると簡単に解けてしまうようなものだけど。」
「…ったくなるほどな。この王宮で魔力を持つ者なんてミアくらいだ。」
「そういうこと。つまり私達が帰ってくるまでは誰にも開けられない。完全密室ということになるわ。」
「はぁ…まぁ、未遂だと思ってやるけどな、一応。」
クロハは盛大に溜め息をついた。
だが、あまりにも安らかな寝顔のジアとキースを見ていると呆れるのもバカらしくなってくる。
「ったく安心した顔しやがって。」
「…ええ。お姉様もキース様も幸せそう…。」
「じゃー…まぁ、今回は見逃すか。」
「ここで起こすというのもあまりに野暮だと思うし、ね?」
「そうだな。
せいぜいいい夢見ろよ、誕生日なんだしな。ってもう見てるか。」
「そうね。幸せな夢を見てるんでしょう、きっと。」
*fin*
「お姉様、入りますよ?」
「ジアー…体調どうだって…うわ!」
ミアとクロハが1週間ほどのジェリーズ滞在から王宮に帰って来た。
そんな二人の目に飛び込んできたのは、キースの腕にしっかりと抱かれて眠るジアだった。ちなみにキースもぐっすりと眠っている。
「っ…こいつら…!つーか陛下とか王妃様ならともかく他の奴らに見られたら…!」
「そのあたり、キース様の施錠の魔法が施されていたわよ?」
「はぁ!?じゃあなんで…。」
「魔力のある者が触れると簡単に解けてしまうようなものだけど。」
「…ったくなるほどな。この王宮で魔力を持つ者なんてミアくらいだ。」
「そういうこと。つまり私達が帰ってくるまでは誰にも開けられない。完全密室ということになるわ。」
「はぁ…まぁ、未遂だと思ってやるけどな、一応。」
クロハは盛大に溜め息をついた。
だが、あまりにも安らかな寝顔のジアとキースを見ていると呆れるのもバカらしくなってくる。
「ったく安心した顔しやがって。」
「…ええ。お姉様もキース様も幸せそう…。」
「じゃー…まぁ、今回は見逃すか。」
「ここで起こすというのもあまりに野暮だと思うし、ね?」
「そうだな。
せいぜいいい夢見ろよ、誕生日なんだしな。ってもう見てるか。」
「そうね。幸せな夢を見てるんでしょう、きっと。」
*fin*