ハルアトスの姫君―君の始まり―
「『彼女』がいる場所なら知ってる。だけど…。」
「だけど…なに?」
「その場所に俺たちが辿り着けるかは分からない。」
「どうして?」
「それは…。」
どこか迷いを見せながらキースは言葉を選んでいる。
言うべきかどうか、悩んでいるようにも見える。
…そんな時だった。
不意にキースの表情が険しいものに変わる。
「クロハ、ミアを抱いて伏せろ!」
そう言うのと同時にジアの腕が引かれる。
そして背中から抱きしめられ、口を塞がれる。
キースの右手はジアの口に、左手はしっかりと腰に回っていて身動きが取れない。
「……んっ…!んー!」
「いい子だから我慢して。」
「……。」
そう言われては従うしかない。
腰に回った手は強いけれど、口を押さえる手はそんなに強くはない。
…辛うじてだが呼吸は出来る。
クロハもミアを抱えて伏せたまま微動だにしない。
ザッザッという足音が聞こえてくる。
…この足音は間違いない。
『兵士』の足音だ。
「だけど…なに?」
「その場所に俺たちが辿り着けるかは分からない。」
「どうして?」
「それは…。」
どこか迷いを見せながらキースは言葉を選んでいる。
言うべきかどうか、悩んでいるようにも見える。
…そんな時だった。
不意にキースの表情が険しいものに変わる。
「クロハ、ミアを抱いて伏せろ!」
そう言うのと同時にジアの腕が引かれる。
そして背中から抱きしめられ、口を塞がれる。
キースの右手はジアの口に、左手はしっかりと腰に回っていて身動きが取れない。
「……んっ…!んー!」
「いい子だから我慢して。」
「……。」
そう言われては従うしかない。
腰に回った手は強いけれど、口を押さえる手はそんなに強くはない。
…辛うじてだが呼吸は出来る。
クロハもミアを抱えて伏せたまま微動だにしない。
ザッザッという足音が聞こえてくる。
…この足音は間違いない。
『兵士』の足音だ。