ハルアトスの姫君―君の始まり―
「躊躇いなく斬り殺せるのは…確かに分かりやすい『強さ』の象徴だと思うよ。
でも、俺は時々そんな自分に嫌気がさす。」
「…なんで?」
「もう『正常』ではないような気がしてね。」
そう呟いた声の響きはいつもと変わらないのに、その表情だけは心なしか切ない。その目は遠くを見つめている。
「……。」
「レスソルジャーには破壊本能しか存在しない。
だから、正しいだとか正しくないとかを考えることもなければ、殺めたものに対する罪悪感なんてものは欠片もない。そこがレスソルジャーの強さになる。
俺も戦いの最中はレスソルジャーと大差はない。ただ単純に破壊本能だけが自分を支配する。」
「そんなことないっ!」
「え?」
思わず出た大きい声に動揺していたのはジアの方だった。
「キースは違う。レスソルジャーとは。絶対に。」
根拠を上手くは言えないけれど、でも絶対に違う。それだけは伝えたかった。
「…ジアがそう言ってくれるんなら、俺も少しは正常になったのかもしれないね。」
他人事のようにそう零すキースに、なんだか胸が痛くなった。
この心理状態もジアには説明できそうもない。
「でも、シュリ様はレスソルジャーや俺のような強さをジアに求めているわけじゃないと思うよ。」
「え?」
「ジアの持つ迷いは時に弱さになるかもしれないけど、俺は大切なものだと思ってる。」
キースの言葉の意図が上手く汲み取れなくて、ジアは首を傾げた。
でも、俺は時々そんな自分に嫌気がさす。」
「…なんで?」
「もう『正常』ではないような気がしてね。」
そう呟いた声の響きはいつもと変わらないのに、その表情だけは心なしか切ない。その目は遠くを見つめている。
「……。」
「レスソルジャーには破壊本能しか存在しない。
だから、正しいだとか正しくないとかを考えることもなければ、殺めたものに対する罪悪感なんてものは欠片もない。そこがレスソルジャーの強さになる。
俺も戦いの最中はレスソルジャーと大差はない。ただ単純に破壊本能だけが自分を支配する。」
「そんなことないっ!」
「え?」
思わず出た大きい声に動揺していたのはジアの方だった。
「キースは違う。レスソルジャーとは。絶対に。」
根拠を上手くは言えないけれど、でも絶対に違う。それだけは伝えたかった。
「…ジアがそう言ってくれるんなら、俺も少しは正常になったのかもしれないね。」
他人事のようにそう零すキースに、なんだか胸が痛くなった。
この心理状態もジアには説明できそうもない。
「でも、シュリ様はレスソルジャーや俺のような強さをジアに求めているわけじゃないと思うよ。」
「え?」
「ジアの持つ迷いは時に弱さになるかもしれないけど、俺は大切なものだと思ってる。」
キースの言葉の意図が上手く汲み取れなくて、ジアは首を傾げた。