ハルアトスの姫君―君の始まり―
「…なるほど。克服しましたか。」
「……。」
正直言って、何を克服すべきなのかも分からないし、自分が克服できたかどうかも分からない。
でも『弱くありたくない』
その意識だけは強く頭の中を駆け巡る。
強さって何?
その問いには誰も答えてくれない。
それはなんで?
なんで答えてくれないのだろう。
何度も問いかけて、何度も自答して来た問題。
答えはまだ、言葉になってはいない。
「あなたがやろうとしていることは自分の命を終わらせないための殺しです。それはこちらも然り、ですが。」
「そんなの分かってる。」
「美しい瞳です。ではレスソルジャーたち、頼みますよ。」
風がさぁっと通り抜けた。
それと同時にシャリアスの身体が浮く。
レスソルジャー達が一気に襲いかかってきた。
ジアは右足を踏み込んだ。
なんだか分かったような気がした。
この生死の境目に立ってみて、初めて。
足が竦む。抜かれた剣に『死』を感じる。
死にたくない、と本能的に思う。
死にたくなければ、今自分はどうするべきなのか。
それは…答えはたった一つ。
刃を向けられたのならば、刃で返すしかない。
死を突きつけられたのならば、生を勝ち取るために死を突きつけ返さなくてはならない。
「分かったわ、シュリ。
あたしに絶対的に足りないものの正体。」
ジアは握った剣に力を込めながらそう呟いた。
「……。」
正直言って、何を克服すべきなのかも分からないし、自分が克服できたかどうかも分からない。
でも『弱くありたくない』
その意識だけは強く頭の中を駆け巡る。
強さって何?
その問いには誰も答えてくれない。
それはなんで?
なんで答えてくれないのだろう。
何度も問いかけて、何度も自答して来た問題。
答えはまだ、言葉になってはいない。
「あなたがやろうとしていることは自分の命を終わらせないための殺しです。それはこちらも然り、ですが。」
「そんなの分かってる。」
「美しい瞳です。ではレスソルジャーたち、頼みますよ。」
風がさぁっと通り抜けた。
それと同時にシャリアスの身体が浮く。
レスソルジャー達が一気に襲いかかってきた。
ジアは右足を踏み込んだ。
なんだか分かったような気がした。
この生死の境目に立ってみて、初めて。
足が竦む。抜かれた剣に『死』を感じる。
死にたくない、と本能的に思う。
死にたくなければ、今自分はどうするべきなのか。
それは…答えはたった一つ。
刃を向けられたのならば、刃で返すしかない。
死を突きつけられたのならば、生を勝ち取るために死を突きつけ返さなくてはならない。
「分かったわ、シュリ。
あたしに絶対的に足りないものの正体。」
ジアは握った剣に力を込めながらそう呟いた。