ハルアトスの姫君―君の始まり―
「消えましたね。あなたの中にあった迷いは全て。…ジア。」
「…どうして名前を…?あたし…名乗っていないのに。」
「名乗らなくても分かるのはどうしてか、今のあなたはもう分かるのではないですか?
あなたは今、何のために剣をふるったのです?」
「あたしは今…あなたたちを倒すために…。」
「僕たちが邪魔なのは、ここに魔女がいるからでしょう?
魔女にかくまわれているからこそ、僕たちの襲来が邪魔。
だからあなたは鞘から剣を抜いたんです。
あなたが守ったモノも、おそらく僕と同じ能力を有しているかと思いますよ。」
穏やかだけれど、穏やかの一言だけでは形容できない笑みを携えたまま、シャリアスはそう言った。
彼の身体が風を纏う。
「…え…?あなたまさか…。」
「またお会いしましょう、ジア。
キース・シャンドルドにもよろしくお伝えください。」
「あっ…まっ…。」
ジアの言葉は風に飲み込まれた。
突風とともに、シャリアスの姿は見えなくなった。
いきなり緊張感がなくなり、急激に痛みが襲ってくる。
斬られた箇所がズキズキと痛い。
ジアはその場に崩れた。
「ジアっ!」
彼らしからぬ声でそう呼ばれて、ジアは勢いよく振り返った。
「…どうして名前を…?あたし…名乗っていないのに。」
「名乗らなくても分かるのはどうしてか、今のあなたはもう分かるのではないですか?
あなたは今、何のために剣をふるったのです?」
「あたしは今…あなたたちを倒すために…。」
「僕たちが邪魔なのは、ここに魔女がいるからでしょう?
魔女にかくまわれているからこそ、僕たちの襲来が邪魔。
だからあなたは鞘から剣を抜いたんです。
あなたが守ったモノも、おそらく僕と同じ能力を有しているかと思いますよ。」
穏やかだけれど、穏やかの一言だけでは形容できない笑みを携えたまま、シャリアスはそう言った。
彼の身体が風を纏う。
「…え…?あなたまさか…。」
「またお会いしましょう、ジア。
キース・シャンドルドにもよろしくお伝えください。」
「あっ…まっ…。」
ジアの言葉は風に飲み込まれた。
突風とともに、シャリアスの姿は見えなくなった。
いきなり緊張感がなくなり、急激に痛みが襲ってくる。
斬られた箇所がズキズキと痛い。
ジアはその場に崩れた。
「ジアっ!」
彼らしからぬ声でそう呼ばれて、ジアは勢いよく振り返った。