ハルアトスの姫君―君の始まり―
「キース…。」
「怪我…結構してる…。」
「そんな大した怪我じゃないよ。
このほっぺの傷と、腕を何箇所か。
血が酷く見えるのは…レスソルジャーを全部倒したから…だし。」
不意にキースの手がジアの左頬に触れた。
切り傷の部位にキースの親指が当たり、思わずジアの顔は引きつった。
「切れてる…。」
「だ…大丈夫だよ。名誉の負傷だもん。」
「名誉の負傷って…痛いだろう?」
「ちょっとは痛いけど…平気だから。」
キースの表情がずっと暗いままなのが嫌で、ジアは笑顔を作ってみせた。
それでもキースの表情は暗いままだ。
「キース…あたし大丈夫だよ。だから…」
『そんな顔しないで』
そう言いたかった。でもあまりに辛そうに顔を歪めるキースに、言葉を自然と飲み込んでしまう。
「ねぇ、キース。」
「なに…?」
「あたし、分かったんだよ。あたしに足りなかったもの。」
「答え、見つかったんだね。」
ジアには少し、キースの表情が和らいだように見えた。
「怪我…結構してる…。」
「そんな大した怪我じゃないよ。
このほっぺの傷と、腕を何箇所か。
血が酷く見えるのは…レスソルジャーを全部倒したから…だし。」
不意にキースの手がジアの左頬に触れた。
切り傷の部位にキースの親指が当たり、思わずジアの顔は引きつった。
「切れてる…。」
「だ…大丈夫だよ。名誉の負傷だもん。」
「名誉の負傷って…痛いだろう?」
「ちょっとは痛いけど…平気だから。」
キースの表情がずっと暗いままなのが嫌で、ジアは笑顔を作ってみせた。
それでもキースの表情は暗いままだ。
「キース…あたし大丈夫だよ。だから…」
『そんな顔しないで』
そう言いたかった。でもあまりに辛そうに顔を歪めるキースに、言葉を自然と飲み込んでしまう。
「ねぇ、キース。」
「なに…?」
「あたし、分かったんだよ。あたしに足りなかったもの。」
「答え、見つかったんだね。」
ジアには少し、キースの表情が和らいだように見えた。