ハルアトスの姫君―君の始まり―
* * *
ジアがローシュに戻ったのは辺りが暗くなってからだった。
「ミーア!ただいまー!」
「にゃあ。」
「あっ、クロハ。ミアのこと見ててくれてありがとう。」
「…ジア。ちょっと話がある。」
いつもとは違う真剣な表情を浮かべるクロハにジアの心が少しだけざわつく。
「え?」
「ここじゃ話せない。お前んちで話したい。」
「…いいけど…。」
ジアはクロハの真面目すぎる表情に面食らった。
そもそもクロハに真面目な顔なんて似合わない。なんて言ったら絶対怒るだろうから言わないけれど。
真剣な眼差しに何か理由はあるはずなのに、ジアには見当もつかなくて、ただただ混乱するだけだ。
クロハはジアたちに背を向けてそそくさと店内を出て行った。
向かうは隣のジアの家。
ジアとミアの家はローシュの隣にある集合住宅の一角だ。
木造の作りでかなり古びている。だからこそ家賃が安い。
ジアは鍵を開けた。
ジアが入るのに続いてミア、そしてクロハが中へと入る。
全員がいつもの定位置についたところで、クロハがゆっくりと口を開いた。
「…今日、ヘンなばーさんが来た。」
「ヘンなばーさん?」
「にゃあ。」
ミアの相槌はいつも絶妙だ。
ジアがローシュに戻ったのは辺りが暗くなってからだった。
「ミーア!ただいまー!」
「にゃあ。」
「あっ、クロハ。ミアのこと見ててくれてありがとう。」
「…ジア。ちょっと話がある。」
いつもとは違う真剣な表情を浮かべるクロハにジアの心が少しだけざわつく。
「え?」
「ここじゃ話せない。お前んちで話したい。」
「…いいけど…。」
ジアはクロハの真面目すぎる表情に面食らった。
そもそもクロハに真面目な顔なんて似合わない。なんて言ったら絶対怒るだろうから言わないけれど。
真剣な眼差しに何か理由はあるはずなのに、ジアには見当もつかなくて、ただただ混乱するだけだ。
クロハはジアたちに背を向けてそそくさと店内を出て行った。
向かうは隣のジアの家。
ジアとミアの家はローシュの隣にある集合住宅の一角だ。
木造の作りでかなり古びている。だからこそ家賃が安い。
ジアは鍵を開けた。
ジアが入るのに続いてミア、そしてクロハが中へと入る。
全員がいつもの定位置についたところで、クロハがゆっくりと口を開いた。
「…今日、ヘンなばーさんが来た。」
「ヘンなばーさん?」
「にゃあ。」
ミアの相槌はいつも絶妙だ。