ひだまり
私にあるのは暗闇だけ
真っ白な天井、真っ白なカーテン

真っ白なベッド

私の周りにあるのは、全て真っ白

私の心とは、正反対。

私の心は、黒くゆがんでる。


私、桜木 愛(サクラギ マナ)・19歳

生まれつき心臓が弱くて 今までずっと
入退院を繰り返してる。

心配してくれる親はいない。
私が心臓が弱いって知ると、すぐに私を捨てた。


友達だってもちろんいない

いるのは、偽りだけ。

大変ね…とか、大丈夫?とか言ってくるけど

大変だと思うなら変わってよ!
大丈夫じゃないから入院してんじゃん!

そんな優しい言葉いらない!

私は、誰も信じない。
誰にも頼らない、弱みは見せない。

コン、コン、

ごちゃごちゃ考えてると、部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。

「はーい。どうぞ。」って返事を返すと1人の老婆が入ってきた。

「おはよう。愛ちゃん、気分はどうだい?」

この老婆は、捨てられた私を引き取ってくれて、毎日お見舞いに来てくれる
母方のお婆ちゃん。

「今日も元気だよ!お婆ちゃん」

そう答えたら、「そう、良かった」って安心したような顔を見せた。

「愛ちゃん、さっき先生と話してね、最近は状態も安定してるし 一時退院してもいいってさ」

「ほっ本当に!?」

「うん!本当だよ」

「やったー!!」

ベッドの上で飛び跳ねる勢いで喜ぶ私。だって、今回の入院生活は結構長かったからすごく嬉しいんだもん。
家に帰ったらやりたい事がいっぱいある。

買い物したり、美味しいものいっぱい食べたり。

あ~、何からしよう


「嬉しいのは解るけど、無理は禁物だよ、桜木さん」
「ひっ!!!?」

突然第三者の声が聞こえきて心臓が止まるんじゃないかってぐらいビックリした。

声のした方に顔を向ければ白衣に身を包んだ若い男が立っていた。

「きっ、急に声かけるの止めてください、神崎先生!心臓止まったらどうするんですか!
私、ただでさえ心臓が弱いのに!!」

< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop