現実的な恋愛事情
午後の授業も上の空。
でも、
午前中の浮かれ気持ちとは
全く違う、
重たい気持ち。
自分が、なにもできなかった
もどかしさと
無念さに腹が立った。
授業も終わり帰る支度をしていると
廊下が、やけにうるさかった。
気になってみんなの視線の先を見た。
そこには
拓也と明希が
楽しく手をつないで歩いている。
あたしには、
見せたことのない笑顔で
楽しく歩く姿。
なにも言えなかった。
隣にいる女子2人が
キャーキャー騒いでいる。
あたしは、一刻も早くこの場から
逃げたい一心で
走りだした。