現実的な恋愛事情






気が付くと、家に着いていた。

まだ誰も帰って来ていない家に入る。

すぐに自分の部屋に行きカバンを投げ捨てた。

悔しさ、切なさ、苦しさ、憎さ、、、
いろんな感情が混ざり
あたしは、手当たり次第に物を投げた。

何時間か経ってようやくあたしは、
落ち着くことができた。

顔は、涙でぐちゃぐちゃ。

部屋も、いろんな物が散乱していた。

投げた物の中にお気に入りのケータイ小説もあった

投げた衝撃で、本が開いている。
パッと本の中に目をやった。

【私は、彼氏に振られたのが辛くて
意味もなく走った。
とにかくがむしゃらに走った。
すると、
後ろから声をかけられた、、、】

この本は
この声をかけてきた人に
最初は、慰めてもらったりしていたが
最終的に
恋に落ちてハッピーエンドというお話だ。


あたしは、また涙が込み上げてきた。

あたしが
泣いていても周りは、なにも気にしない。

結局、現実で
ケータイ小説みたいな甘い恋なんて
無理なんだ。





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