藤井先輩の私。
港近くの使われていない倉庫。


ブォンブォン…



多数のバイクのエンジン音が集まる中心に彼女はいた。








「テメーら、ちょっとここで待ってろ」



バイクのそばにいる、これまた多数の赤や黄色の髪をした俗に言う“ヤンキー”に向かって華奢な体つきの少女が叫ぶ。


深紅の赤に染められ綺麗に巻かれた髪を翻して、少女は奥の部屋へ入った。





「綾姉、みんな集めたけど?」



「…おっ、そうか。早かったな、江梨香」



綾姉と呼ばれた女性は、ストレートの紅蓮色に染められた髪の毛を人差し指に巻きつけて、ぼぉっとしていた。






「行かねぇの?」


「…あぁ。行くけどよ。その前に江梨香…お前に大事な話があんだよ」







「ん?」


  







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